錫杖岳 前衛壁左方カンテ 烏帽子岳東方ルート
2001年11月19日ー20日
L. 加藤 山本 栗原(記)
毎度お馴染み化しているいつもの三人での錫杖。山本さんと僕にとってははじめての錫杖。
北アルプスという場所にありながらクラック、チムニーが楽しめる岩場ときいて無視はでき
ない。
18日の夜は流星群が見えるとあって駐車場には夜空を見上げる人たちが10人ほど集まって
いた。僕等はその脇でバタバタとテントを張りながら流星鑑賞。10や20はあっとゆう間に流
れていった。
19日。比較的のんびりと出発。大きな荷物をしょって約1時間のアプローチ。久しぶりの
大荷物に汗がたらりたらり。秋晴れのさわやかな空を突く錫杖が見える錫杖沢出会いにテン
トを張りさっそく出発。約40分ほどで取り付き到着。この距離はとてもお手ごろ。
1P目を山本さんがリード。ところどころ雪のついた階段状のガリー。にょろにょろと蔓延
る木の根でビレイをとる。2P目は加藤さんリード。同じようなガリーをつめる。3P目はや
や難しいフェースを僕がリード。すでに高度感がでているので丁寧に行かないと怖い。この
ピッチは短くフェースを上りきったところがビレイポイント。右手には、おおきなチムニー
が見える。ここを山本さんがリード。いつもは登っているのを見上げたり見下げたりだけど、
ここでは登る姿が良く見える。岩の割れ目でもぞもぞしているのがなんだかかわいくもある。
月稜会で一番人間チョックストーンになれそうなのは誰だろう?とふと思う。加藤さんノー
コメント。注意深い人だ。見た目はいかついこのチムニー、中はチョックストーンやらなん
やらとホールドは豊富だった。5P目はチムニー上のテラスからはホールドの上に雪ののった
垂直の凹角を登る。加藤さんが時折つめたいッ、と叫びながら雪の冷たさと格闘。フォロー
してみるとこれがまた本当に冷たい。冬季登攀の厳しさを予感する。上りきると凹角の下の
ひろいテラス。6P目は見るからに難しそうな下向きに広がっているチムニー。僕がリードす
るが、取り付きで両側の壁を使うのか片側をフェースクライミングするのか分からず混乱。
遠いホールドを拾ってフェースクライミング。ここから先でチムニーの中に入って行ってし
まったのがまずかった。落ちはしないけどなんだかめちゃくちゃな体勢をとりながら無様な
クライミング。出口は左側のフェースに移ってカンテにのっこす。チムニーに入りすぎ、と
加藤さん突っ込まれた。おっしゃる通り。続く最終ピッチを山本さんがリード。途中からロ
ープが出たりひっこんだりして迷っているようだ。今回はなるべくコールを使わないでロー
プシグナルを使うということだったけど山本さんのロープの動きが読みづらい。加藤さんと
もう着いたよとか話しているとずるずるとまたロープが出て行ったりする。きっと癖を覚え
てしまえば分かるのだろうがこの日はよく分からなかった。このピッチは途中から木が多く
てあまり面白くない。ややランナウト気味らしく山本さんがびびっていたのが分かる。木立
ちの中でルートは終了。のんびりやっていたら3時間以上かかってしまった。2時をまわり寒
くなってきたのでさっさと懸垂下降。テントに着いてビールで乾杯してから加藤シェフのお
いしい鍋が登場。腹いっぱいの詰め込んで山本さんのワイルドターキー(なぜかワイルドタ
ーキーと山本さんの組み合わせにたくさん突っ込みが入った)でぽかぽかになったせいで快
適な睡眠がとれた。
20日。この日は前日以上の快晴。そうすっかり冬型の気候になったみたいだ。秋雨にうん
ざりしていたのでとてもうれしい。今日は前日のペースを元に算出した結果烏帽子東方ルー
ト一本が妥当だろうということになった。錫杖沢をつめてゆく。前衛壁へゆく北沢を右に分
けてまだつめてゆく。本峰の岩壁を左にみながら、ところどころ凍った沢をさかのぼる。結
局取り付きにつくまで3時間もかかってしまった。調子がよければ左方カンテを登ったほう
が早いかも。
一休みしてから1P目を山本さんがリード。トラバースした後からロープの出が遅くなりと
うとう止まってしまった。山本さんのヘルプコールで加藤さんが登ってゆく。結局1Pの終了
点に僕がつくまでに45分もかかってしまった。やる気もうせて時間もなくなりそうなので
早々と下山することで同意。左方カンテの終了点まで歩いてゆく。昨日と同じ場所まできて
さてロープを出そうかとしたところで、あれ?ロープがない。誰か持ってる?と聞くが加藤
さんが一本もっているだけ。どうやら僕が忘れたようだ。ダッシュで東方ルートの取り付き
まで戻ってみると普通にブッシュの上に置いてあった。恥ずかしい。
下山してテントを撤収、砂防博物館の駐車場についたのが4時過ぎ。なんだか、登ったの
か登らなかったのかよくわからない山行だった。しかし、休日としては極上であった。