







7月15日(月) 天気 晴れのち曇り,夜半より雨
メンバー 塩崎 隆 加藤 献 塩崎
隆 記
前の週に、 南稜から3ルンゼを継続したおり、 三スラの取り付き近くまで、 雪渓の先端が後退しているのを
確認し「来週あたりいけそうですね」 と加藤君が声をかけてきた。 一昨年、橋本氏と登り雨に降られワンビ
バークの末の敗退。 断る理由はない。
翌週 15日の月曜 朝4時我々は薄暗い一ノ倉の出会いを出発した。 雪渓が谷を埋め尽くしアプローチは
とても楽だ。
5時10分テールリッヂ上部 中央稜取り付きで登攀具を付
け南稜テラスに向かって烏帽子奥壁の基部をトラバース。南
テラスから懸垂で本谷バンドを渡り、 取り付くに向かって本
谷をクライムダウンしていく。 水流をはずすと悪くなるので水
流沿いをガスが出て取り付きに向かって伸びているバンドが
確認出来ない。 大滝の音を頼りに適当なところから滝沢川
にトラバースすると、 ラッキーなことに、 そのバンドの真上に
出た。雪渓は、バンドのわずか2Mほど下にあり、昨日あたり
やっとこのバンドが現れたと言う感じだ。バンド末端 取り付く
の真下まで行き、ロープをつける。加藤君がV−の岩場を、
10M程上のビレー点まで先行し、ハーケンを一本打って、補
強。6時30分いよいよ登攀開始。 登攀具の支度をする加藤君
1ピッチ目 塩崎 40m W A1
ビレー点より右に3mほどトラバースするが支点がなく、 間違いに気が付き戻る。 一昨年の記
憶が薄れていて出だしがわからない。 今度は5mほど直上して右に回りこむと支点があり正規
のルートに取り付く事が出来た。クラック沿いにフリーを交えたあぶみの架け替えで登るのだが、
クラックの中のピンは枯草や泥で埋まっていて手でゴミを払い、指で泥を押しのけ支点を取って
いく厄介な作業になった。20mほど直上し、 ハングに頭を押さえられたところから、かぶり気味
の所をあぶみトラバース。トラバースの最後,左手をおもいっきり伸ばし太いテープシュリンゲをつ
かむ。一昨年と同じ物がそこにかかっていた。 黒ずんでケバダチ少し切れている。そのシュリン
ゲにあぶみをかけ、おそるおそる立ちこむと、 その左がボルトやハーケンが七ー八本打たれた
ビレー点だ。 安全のため使える支点をすべて使いあぶみビレーの体制をとる。「ビレー解除」。
朝一番で多少時間がかかったようだ。
2ピッチ目 加藤 30m A1
傾斜は落ちたが ホールドのないつるつ
るのスラブを左壁のハング沿いに、 あぶ
みの架け替えで右上。
落ち口を右に回りこんだため左のビレー
点を見過ごしさらに10mほど上でピッチ
をきる。
8時20分
滝沢下部 2ピッチ目をリードする加藤君
3ピッチ目 塩崎 50m V−
やさしい岩場を50mいっぱいで、Y字河原につく。 9時
4ピッチ目 加藤 60m U
いよいよ三スラ。 F1の下までロープをいっぱいに伸ばす。
5ピッチ目 塩崎 50m W
F1 ぬめったクラック沿いに進む。難しくはないが細かい上に濡れているので緊張する。
第1バンドでピッチをきる。
6ピッチ目 加藤 40m U
F2下まで簡単なスラブを登る
7ピッチ目 塩崎 40m W
F2 スラブのほぼ中央から左上、カンテ状のところを越えてF3下のテラスまで。
8ピッチ目 加藤 40m X A1 (右は W A0
左壁がハングしたツルツルのスラブ。
途中あぶみを出し A1で大テラスまで上がる。
(ビバーク適地)
F3に向かって左上する加藤君
9ピッチ目 塩崎 30m W A1
F4大テラスから3m直上 一段したのスラブに降りて、始めはフリーで その後 A1 A0を交え
右上。ハング右端から3m上の小テラスでビレイ。
F4をフォローする加藤君
10ピッチ目 加藤 20m V
階段状を左上。途中に一昨年のビバーク地。
11ピッチ目 塩崎 50m V+
F5の途中でロープが足りなくなり、カムを使って
ピッチを切る。トポでは40mになっているが。
12ピッチ目 加藤 10m V
F6の取付きまで。
13ピッチ目 加藤 40m X A0
F6 ゴルジュ状のぬめったスラブを、始めフリーで
行くが濡れていてかなり悪いらしく、A0で落ち口
まで行く。 かぶり気味の落ち口をきわどいフリー
で抜ける。 ここは取り付きからすぐトラバース気
味に右上し、右壁をぬけてカンテ沿いに行くのが
正解だった。
14ピッチ目 塩崎 40m U
幅広のスラブになり、スラブ右端まで右上。
15ピッチ目 加藤 40m V
右壁に沿って、直上。残置がほとんどない。
16ピッチ目 塩崎 40m V
同じく、右壁に沿って直上。残置少ない。小さなルンゼに入り二スラとの境界リッヂ上のコルでピッチを切る。
17ピッチ目 加藤 40m V
露岩と潅木混じりの草付。笹ではなく普通の草なので、
根元に指を差込あまりテンションをかけないように、登
って行く。結構怖い。
(草付 最初のピッチ、15時30分)
18ピッチ目 塩崎 40m V 草付
19ピッチ目 加藤 40m V 草付
20ピッチ目 塩崎 40m V
草付から右のルンゼに入っていく。落ち口まで。
21ピッチ目 加藤 40m W A1
落ち口を越えるのに、初めA0で試みるも、足が滑って越えられず、アブミをかける。
22ピッチ目 加藤 50m W+
チムニーから左壁に移り直上。笹やぶに入り潅木でビレー。ドーム右端のリッヂの真下に出た。
リッヂの裏はAルンゼへの懸垂支点。かなり右により過ぎていたらしい。
18時、ドーム取り付きまで来たが暗くなるまで時間がないので、ここからは加藤君に
オールリードで行ってもらうことにする。
23ピッチ目 加藤 45m、 X+、A1
ドーム1ピッチ目、横須賀ルートの取り付きがわからず、時間をロス。凹角に取り付くが、難しく
苦労している。きわどいバランスで、何とか右のリッヂに抜け直上。
24ピッチ目 加藤 40m、W+ A2
三段ハングを、A2で抜け草付。露岩でビレー。
3段ハングをリードする、加藤
25ピッチ目 塩崎 20m U。
19時30分。ドームの頭。
26ピッチ目 加藤、 50m V
ドームからいったんコルに降りて、リッジを登り返す。
リッジのピークでピッチを切る。このピッチから、ヘッド
ランプをつけるが、ガスが出始めたので周りがよく見えない。
27ピッチ目 加藤、 40m、やさしい草付
28ピッチ目 加藤、 40m、草付
29ピッチ目 加藤、 40m、草付
30ピッチ目 加藤、 40m、
草付からはきっりしたふみ跡のある稜線に出る。
31ピッチ目 加藤
コンテで30m登り、国境稜線上の小ピークに出る。
22時45分 登攀終了。雨が降り始める
ロープをはずし大休止。もう緊張の糸が切れた。
簡単な食事をして、最後の水を飲む。寒いので雨具をつける。
終了点で食事をする加藤 ガスが出ている。
23時15分 ロープをしまい、下山開始。
自分たちのいる位置が、よく確認できず周辺をうろうろする。踏み跡を下ったところに、見覚えのある
鳥居があったので、銃走路であることを確認。終了点は鳥居の上のピークだった。本峰、トマの耳から
の下降で間違えて、天神方向に下ってしまし時間をロスする。西黒から巌剛新道と、濡れてすべる岩場
の登山道を、シリセードで下降。加藤君は元気で、基礎体力の違いを痛感させられる。
午前3時半 一の倉駐車場着。 全工程23時間半。丸一日かかった。
高速のサービスエリアで、仮眠、食事をし、9時ごろ帰宅。とりあえず完登できたが、課題が残った山行だった。
以上 塩崎 隆