/ 2001.10.15 /
会山行 戸隠 西岳・P1尾根縦走
栗原 治郎(記)
L.吉野 栗原
戸隠はやっぱり遠いなぁ、到着したのが夜中の2時近く。布団に入ったのが4時近く。そして起床が6時。ちゃんと朝ご飯が食べられるように6時ぴったりに起きてカップラーメンをすすり、家で作ってきたおにぎりをほおばる。山本さんがそこへ起きてきた。食べる時間がないからそのまま吉野さんの車へ向かう。よく何も食べないで山に登る気になるなぁ。唐沢さんも何も食べてない。きっと吉野さんもそうだろう。加藤さんは一番早く起きて食べていた。この人はいつでも準備が早い。早すぎてこっちが焦る。
奥社−高妻縦走パーティー(加藤、山本、唐沢)と西岳−P1縦走パーティー(吉野、栗原)
は距離が長いため他パーティーよりも早めの出発。車で戸隠奥社の駐車場へ向かう。空は雲ひとつない快晴。秋らしく乾いた空気が少し冷たい。歩き出してすぐに暖まった身体にそんな空気はとても気持ちがいい。奥社を過ぎるととたんに急な登り。上を向くと枝の隙間から朝日を浴びて赤く輝く岩稜がみえる。自然に出来た順番は唐沢、加藤、栗原、山本、吉野。唐沢さんが一定のペースを守ってリードしてゆく。枯葉の絨毯道が終わると次第に岩がごつごつしてきた。なんだか血が騒ぐ。ひんやりした岩に素手で触ったときの感覚は、とても冷たく、そして暖かい。冷淡でいてとても寛容だ。がっちりとつかめたときは岩が本当に頼もしい。
いちいち名前のついた岩壁を足早に過ぎると、いつしか岩稜にでた。それにしても細い。まるで漫画のようだ。こんなところがあるとは思っていたけど、ほんとうに片足サイズなんだ。「冬はナイフリッジだなぁ、ははは」と吉野さん。腰のひけた唐沢さんの写真を後ろから撮影。加藤さんはリッジを綱渡りのように歩いてゆく。見ているほうが怖いからやめてほしい。まるで遊園地のようだ。
唐沢さんの一声で休憩した地点から二分歩いたらそこが八方睨。ここで僕と吉野さんは西岳へ、加藤、山本、唐沢チームは高妻へ。僕、吉野さんの順で鞍部へ下って行く。すぐそこに西岳は見えるが稜線を見ると結構くだらなくてはいけないみたいだ。刈られた笹が登山道を覆っていて良くすべる。他のパーティーより時間がかかりそうなのでほいほいと飛ばして歩く。下った勢いでえいやっと登り、またずるずると下って、また登りかえし。こういうアップダウンは得意だ。どんどん歩き方が早くなる。そんなことをしているうちに吉野さんが遅れだした。明らかに風邪でつらそうだ。結局、古川パーティー(牧場−一不動避難小屋−八方睨−奥社)を駐車場で待たせてはまずい、ということで本院岳から先は別行動になった。
八方睨、西岳、P1の縦走路は地図上では荒れているように表記されているけれど、実はこれがまたとても快適。笹は多いがかなりきちんと刈り払われていてルートを誤ることはまずない。早足で歩いても全然平気。快調に西岳、P1を歩く。振り向くと小さく吉野さんが見える。それほど難渋しているようには見えない。きっと平気だろう。P1でパンをほおばり、水を飲み、北アルプス方面の山々をのぞむ。さてココからは下山だ。
P1尾根はガイドブックにあるほどハラハラドキドキコースではなかった。ところどころ傾斜80度くらいの壁はあるけど、必ず鎖はあるし、岩の質が独特で人工壁の丸いガバみたいのがそこらじゅうに出っ張っている。鎖やハシゴがないほうが面白いのに。積雪期にきたらきっとおもしろいだろう。鎖に体重を預けてどんどん下る。飽きたなぁと思う頃に岩場は終わり普通の登山道へ。傾斜ゆるく木漏れ日が気持ちよいのでなんだか自然に走りだしてしまう。靴がトレイルシューズでリュックがなかったら、すごく気持ちいいだろうな。それでもがしがし早歩きしていると、まるでヘリポートのようなところ出た。地図が途中で切れてしまっているので自分がなんというところにいるのか良く分からない。適当に踏み後をたどるとまた登山道の看板に導かれて斜面を下る。水の流れる音が聞こえてくると自然と歩が早くなる。気持ちの良い小川に当たり、すぐそばには水場。本当に木漏れ日が気持ちいい。風がそよそよと森を流れて水音が心を潤すみたいだ。今ごろみんなはどの辺りだろうとのんびり物思い。
水場から3回ほど流れを横切ったところに案内の看板。支社まで100分?。支社ってなんだろう。僕が行きたいのは奥社なんだけど。地図がカバーしていないところだから良く分からない。しかももう平地に入っていたから30分ぐらいで着くと思っていた。やれやれ、妙に下りが長い、とぼやきながらまた登ってゆく。どこにいるか分からないと何だか早足になってしまう。40分ぐらいゆるやかな登りを歩くと突然林道へ飛び出した。実はもう鏡池のすぐそばまできていたのだ。突然観光客のまっただなかにほうり込まれたから何だか調子が狂ってしまった。まぁ、でも鏡池からみた戸隠連峰は一番それらしかったけれど。
車についたのが12時ぴったり。まずまずのペース。しかし、まだ誰もいない。吉野さんからカギを受け取るのを忘れたので車の陰で寝て待つ。暇だなぁと思っていたら吉野さん到着。一汗かいてさっぱりした模様。この人本当にタフなんだ。吉野さんも飯食って寝る。結局、古川パーティーが到着したのが3時。のんびりモードの古川さんを見て、あまり急ぐものではないと反省した。
どの山域にいっても初級者の僕にはそれぞれの姿がとても新鮮だけど、戸隠の連峰は良くも悪くも独特な雰囲気を持っているようだ。なんというかサイズがおもしろい。その荒々しい風貌の割にかなりコンパクトにまとまっている。サービス精神旺盛というか便利な山というか、盆栽の中の岩という感じがしないでもない。きっと稜線歩きよりも沢のぼりの方がおもしろいと思う。もしくは積雪期だろうか。ある意味、非常に日本的な山域である気がしました。
奥社駐車場(6:45)−八方睨(7:20)−本院岳(8:40)−西岳(9:00)
−P1(9:20)−奥社駐車場(12:00)
夜は恒例のバーベキューに初参加。山の仲間がいるということがまだ少し奇妙な感じがしたけれど、とても愉快な宴でありました。ごちそうさま.