L吉成博 吉野茂 古川清(記)
小豆温泉では雨音で目を覚ます。久し振りの山スキー、しばらく様子を見ることにし、またシュラ
フに入る。三岩岳は、去年の夏に御神楽沢を遡行の時に頂上を踏めずにいた、私にとって気になる山。
今回はスキーで頂を目指す。
雨が小ぶりになり、予報もよいので、出発することにした。登山口は国道を覆うスノーシェッド中
央の鉄の階段を上るのだが、雪がへんに残って苦労する。夏道どうりの沢沿いをトレースするのだが、
予想以上に悪く、とうとう左の尾根に追い上げられてしまう。ここで、リーダーはこのまま尾根を辿
り南東に延びている主尾根に出て、三岩岳を目指すと決定。緩いなだらかな尾根にシールを効かせて
快適に登り出す。この頃、雨も上がる。1362mのピークより下りになる。シールをつけたまま滑る。
この下りでとんでもない事が起った。吉成のシールが滑っているうちに片方なくなっていたのだ。そ
れも、コルに着くまで気がつかないときた。慌てて登り返して探すが、雪に埋もれているのか見つか
らなかった。幸い予備のシールがあり、事無きを得たのだが、こういうこともあるのだと変に感心す
る。その後、やや急な登りとなり、スキーアイゼンをつける。左から大きな南東尾根が見え出し、ル
ートを読む。時間は早いが、樹林もまばらになってきたので天幕を張る。明日の天気に期待しましょ
う。夜中にテントが飛ばされるくらいのものすごい風が吹き荒れた。
次の日、スキーを担いで目の前の急な斜面を登る。風は収まり、東の空は赤く、天気は良くなりそ
うだ。小1時間も登るとようやく主尾根に出る。この頃よりガスが出始め、天気が悪くなってきた。
ホワイトアウトだ。晴れていれば快適そうな尾根をひたすら登る。あと少しで頂上、多分30分くらい
の所で、帰りのルートが不安になり始め、リーダーは下ることを決定する。しかし、ガスが濃くなり
ルートが分からなくなる。下に尾根が何本かあり、上部ははっきりとした尾根になっていないのだ。
ここと決め降り始めるが、急でクラストしており、スリップは許されない。天幕あたりの標高地点で
天幕を探すが見つからない。そのまま左の尾根にトラバースするが見つからない。三本目の尾根にも
トラバースするが似たような尾根でやはりダメだ。このまま探しても無駄とのことで、はっきり分か
る所まで登り返すことにする。また、小1時間の登りで主尾根に出る。慎重に地図とコンパスで方向
を見定め、またまた降り始める。今度は見つける事ができ、ホッとした。このまま見つからなかった
ら、来週来て天幕を探すつもりだった。早々にパッキングし、地図でルートを確認し、下り始める。
ナダレの起きそうな急な斜面、ようやく尾根にトラバースした時はホッとした。あとは、はっきりと
した尾根を快適に国道目指して滑った。
今回も三岩岳の頂は踏めなかった。気になる山、三岩岳。今度来るのはいつだろうか。
会報42号より